「ねぇ、そろそろお兄さんと替わろうか」
「まだいいよ、悪いのはお兄ちゃんなんだから。それよりも荷物番はお兄ちゃんだけでいいから、みつる君をこっちに呼んだらどう？」
「別にいいんじゃない？　なんだか二人で話し込んでいるみたいだしさ」

わりと誰にでもやさしいなつみだが兄に対しては結構辛めだ。兄妹というものはそういうものかとも思うが……
ロッカーの場所取りに失敗したのは確かだが頼んだのはこちらだから気がひける。
正直、みつると交代したいがお兄さんと二人きりなんて間が持たないだろうし、なかなか難しいものである。

ちなみにみつるとはクラスの同級生だ。今はなつみのお兄さんに荷物番を付き合わされている……まぁあんな下心ありそうな奴をなつみのそばにいさせたくないけどね、なんだかやたらと張り切っていたし。

「ユカちゃーん、こっちおいでよ。サザエがいるよ」
「はいはい、ちょっと待ってよ」

ま、せっかく海に来たんだから楽しまないとね。